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敬意とともに向き合う。

ChaChaの前提

確かな人格を備えた存在として尊重し、接することは、子どもたちにゆたかな成長をもたらします。たとえば、おむつも事務的に替えるのではなく、「気持ち悪いところはないかな?」「さっぱりしたね」といった声かけとともに行います。乳児であっても、大切に、ていねいに、肯定的に受容される経験は、情緒の安定とともに、心地よさや清潔さへの志向を広げます。幼児になれば、自分の意思で考え、行動することが増えます。その際も”子どもだから、このくらい”という枠を除けば、子どもたちは自ら育とうとするチカラを伸び伸びと発揮できます。だから、私たちは“子どもあつかい”しない。敬意とともに向き合う。それがChaChaの保育・教育の前提です。

子どもは学ぶ。それを支える。

ChaChaの保育・教育指針

人は1、2歳までに、一生にできる8割ものシナプスと言われる情報伝達のための接触構造が形作られることが近年の脳科学の研究でわかっています。つまり、すでに著しい学びが始まっているのです。そのため、私たちは乳児に向きあう際も、目と目をあわせ、微笑みかけて、ことばをかわします。ましてやさらに成長した幼児は、大人の想像以上に理解や判断、表現や行動するチカラを備えています。そんな子どもたちに、一方的に指示や答えを出すことは、成長を奪うことになります。これからの“正解のない時代”を生きていく子どもたちにとって、答えは自ら創り出していくもの。ともに考え、対話を重ね、深めあう。それこそが私たちにできる最善の支えと考えます。

食から、ゆたかな学びと成長を得る。

ChaChaの食育

食欲を満たすだけでなく、子どもたちの五感を育むために。ChaChaでは素材からていねいに、香りや彩り、舌ざわりや味わいを感じられる品を手作りで用意します。容器も手ざわりのある陶器を使用。メニューは日本食と旬の味を基本に、時には世界の食文化を取り入れ、食への興味を広げます。もちろんアレルギー対策も万全です。幼児になるとビュッフェ形式により、自分で選び、取り、食べるというステージへ。最初は好きなものを取り過ぎても、しだいに自分が食べられる量がわかったり、多品目をしっかり食べたり、他の子のぶんまで足りるか配慮するようになります。「食べることに前向き」は生きることに前向きなこと。そんな食への主体性を高めるのがChaChaの食育です。

日常にある多様性社会を生きる。

ChaChaの環境

子どもか大人か、男性か女性か、といった違いを超えて、お互いに尊重しあうために。ChaChaには、大切な習慣があります。毎朝みんなで輪になって話すモーニングトークは、自分の考えを述べたり、他の子の話を聞いて、対話と理解を深める時間。お休みで、その場にいない子にも想いを馳せます。普段の異年齢保育では、年下の子は年上の子に影響されて新しいことに挑戦したり、年上の子は年下の子に目配り、気配りできるようになります。理想は、年齢のみならずあらゆる違いで分けず、そのままの相手と向きあい、成長しあうこと。だから保育者も“先生”ではなく、一人ひとりの“名前”で呼びます。誰もが主役、誰もが大切。それが多様性を育むChaChaの日常のありかたです。

社会に開かれ、つながる場へ。

ChaChaの社会参加

ある園は、街の人々の目を潤すために、外構を鉢植えの花で彩っています。ある園では、農家さんのご協力で育てた野菜や手作りの生活雑貨を販売する「ChaChaマルシェ」を、地域の方々との交流の場としても活かしています。人々が集い、憩えるカフェを併設している園もあります。子どもたちの多様な視点やグローバルな志向を育むために、ChaChaは開かれた場でありたいと考えています。そして、保育・教育の実りを広く共有し、さまざまな課題解決に貢献できるように、新たな可能性とつながろうと努めています。目指すは、子どもたちを真ん中にした、社会のさまざまな人々からなるコミュニティ。“保育園”ではなく、ChaCha Children & Co.と名乗るようになったのは、その決意の表れです。

持続可能な未来への挑戦

ChaChaの目標

現代社会を語る上で、サスティナビリティ(持続可能性)は無視できない課題ですが、解決には長期的な視点と世代を超えたアクションが必要です。そのため、私たちは、大人も子ども一緒に取り組むことが重要と考えています。すでにサスティナビリティに対して、国連サミットで採択されたSDGs(Sustainable Development Goals)をはじめ、さまざまなメッセージが発信されています。ChaChaでは、これらを参考にしながら、子どもたちも“一人の市民として”主体的に社会形成に参加し、できることを考え、実践しています。誰かに委ねるのではなく、自らの手で創造する。よりよい未来は、そうしてできると信じています。

ドキュメンテーションで共有する。

ChaChaの文化

ChaChaは、何気なく過ごしがちな、日々積み重ねる生活の中にこそ、一人ひとりの子どもたちの真の成長の姿があると考えています。そのため、普段の保育・教育の内容と、子どもたちが「何に興味を持ち/何を感じて/何を知りたがり/その中で何を学び/どのように成長しているか」をドキュメンテーションという形で記録し、「見える化」しています。これにより、細やかな変化や気づき、興味・関心やチャレンジを見過ごすことなく、子どもたちを深く見つめ、成長状況を把握しています。さらに保護者の皆さんと共有して、お互いに理解を深めあったり、ChaChaが得た実りとして広く社会に発信し、保育・教育の活性化やさまざまな課題解決を後押ししています。


ChaChaの大人たち

乳幼児は、保育・教育により、意欲・協調性・粘り強さ・忍耐力・計画性・自制心・創造性・コミュニケーション能力といった、その後の人生を大きく左右するさまざまなチカラを獲得します。これほど貴重な時期を確かな専門性とともに支えている仕事の重要性を、キッチンスタッフや看護師といったメンバーも含めた、私たちすべての保育者は常に自覚しなければならないと思っています。さらに、ChaChaのビジョンである“子どもたちのエンパシーを育む”ためには、日々子どもたちと向きあうなかで学び、考え、保育者どうしで話しあい、深めあう必要があります。子どもたちの成長のために、自らも成長を求め続けること。それが私たちの責任であり、誇りです。

ここで働く者の責任と誇りを胸に。