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株式会社日立製作所名誉フェロー 小泉英明氏 × 創業者 迫田圭子株式会社日立製作所名誉フェロー 小泉英明氏 × 創業者 迫田圭子

異業種の方々と教育・保育について語り合う「ちゃちゃトーク」に、脳科学の第一人者である小泉英明氏をお迎えした。脳科学の立場から考えるこれからの教育について、創業者迫田圭子がうかがい、子どもたちにとって大切なことは何かを展望する。


  • 小泉 英明氏プロフィール

    1971年東京大学教養学部基礎科学科卒業、同年(株)日立製作所計測器事業部入社。偏光ゼーマン原子吸光法の創出と実用化により、1976年東大理学博士。日立基礎研究所所長、(株)日立製作所役員待遇フェローを経て、現在、同社名誉フェロー。東大先端科学技術研究センター客員教授を経てボードメンバー、(公社)日本工学アカデミー上級副会長・国際委員長。欧米・豪州の研究機関のアドバイザーを兼務。中国工程院外国籍院士・東南大学名誉教授。これまでに(独法)科学技術振興機構領域総括・研究総括、(公社)日本分析化学会第55代会長などを歴任。著書に『アインシュタインの逆オメガ―脳の進化から教育を考える』『脳は出会いで育つ ― 「脳科学と教育」入門』(翻訳されて中国内でも出版)の他多数。

  • 脳科学から教育を考える

    迫田
    本日は、お話をうかがえるのを楽しみしていました。2018年4月に中国の北京で行われた、脳の発達をテーマにした幼児教育カンファレンスで講演させていただいたことをきっかけに、脳科学と保育について考えるようになり、ぜひお話をうかがいたいと思っていました。
    小泉
    ありがとうございます。私は中国の脳科学研究にかかわっていますが、中国は「脳科学と教育」の研究にとても力を入れていて、目覚ましく発展しています。
    迫田
    北京の講演では、保育と脳科学の関係にとても興味をもっていただきました。
    小泉
    中国の脳科学の国家プロジェクトは、もともと北京師範大学や北京大学で「脳科学と教育」について研究するところから始まりました。その後、北京師範大学は中国における脳機能イメージングを含めた脳科学研究の中心を担い、リードするまでに発展しています。
    迫田
    脳科学と教育の研究から始まったのですね。大きな関心を寄せていただけた理由がわかりました。
    小泉
    近年発表された脳科学の新たな根拠から、教育における脳科学の考え方も変わってきています。
    迫田
    ぜひ詳しくお話を聞かせてください。

    生活の「見える化」で生まれる意欲

    迫田
    茶々保育園グループは『オトナな保育園』というコンセプトのもと、子ども一人ひとりを尊重しながら、子どもの生活や表現を大切にして保育をしています。子どもたちが「自分でできた」と思えるような工夫をしていまして、その一つが「しぐさのレシピ」です。
    小泉
    手の洗い方が、絵で示されていますね。
    迫田
    しぐさのレシピは、生活シーンに合わせて何十種類もあります。「手を洗う」という動作も、「袖をまくる」「蛇口をひねる」「指一本くらいの太さの水を出す」「手を濡らす」などと、一つひとつ分解して説明を添えています。子どもの興味関心に沿って示していますので、子どもがこのレシピを見ると、どの順番で何をしたらよいのかを楽しみながら知ることができます。
    小泉
    これはわかりやすいですね。いろいろな保育所で絵によって示すという工夫をしていらっしゃいますが、このレシピは分解して示すという点が大事なところでユニークですね。
    迫田
    「見える化」することで、子どもたちの「やってみたい」という気持ちにつながればと思っています。